今回は佐藤二郎さんが1996年旗揚げし、主宰を務める演劇ユニット〈ちからわざ〉での12年ぶりに書き下ろした新作戯曲【そのいのち】について調べてまとめています。
新たに執筆に至った理由に「その歌を聴いたのが始まりだった。」と語る佐藤二郎さんの思いと、その歌とはどんな歌なのか?
是非最後まで見て行って下さい!
佐藤二郎作・演出の戯曲「そのいのち」とは?
2024年9月1日(日)10:00からチケット予約が始まった佐藤二郎さんが主宰を務める演劇ユニット〈ちからわざ〉より公演している戯曲「そのいのち」。
前作の「ハラナイ荘の人々」から12年ぶりの新作公演となりました。
戯曲の「そのいのち」はミュージシャン中村佳穂さんの楽曲「そのいのち」を聞いた
佐藤二郎さんがその歌詞に誘発され、書き起こされたインスパイア作品です。
中村佳穂さんは映画「竜とそばかすの姫」でヒロイン・すず/ベルの声優を務め、劇中歌で注目を浴びた方といえば分かる方は多いかと思います。
佐藤二郎作・演出の「そのいのち」の内容
佐藤二郎作・演出の「そのいのち」のキャスト
・山田里見役:宮沢りえ(主演)
・和清役:佐藤二郎
・相馬花役:佳山明、上甲にか(Wキャスト)
・鈴木楽、工藤凌士(Wキャスト)
・今藤洋子
・本間剛
相馬花役の佳山明さんは、生まれた時に数秒間呼吸が止まったことによる脳性麻痺を抱えています。
俳優業を始める前は日本福祉大学社会福祉学部を卒業して社会福祉士として活動されていました。
同じく相馬花役の上甲にかさんは幼少期に筋ジストロフィー(ラミノパチー)が発覚。
関西大学(人間健康学部)を卒業後はNHK総合「%(パーセント)」(2024)とNHK総合 「真ん中のふたり」(2023)主演するなど俳優業をされています。
その他、鈴木福くんの弟である鈴木楽くんが出演されてます。
「そのいのち」にかけた思い
佐藤二郎さんが「そのいのち」にかけた思いを語られた際のコメントが以下です。
佐藤二朗(相馬和清役・脚本)コメント
最初はハンディキャップを持たぬ女優さんにお願いするつもりだった。
なのに、佳山さん、上甲さんにオファーした理由はいくつもある。差別なく共生できる世界を?社会的意義?負を力に変えて欲しい?彼女たちの「演技をしたい」という熱に心が動いた?
全部、その通り。しかし、どの理由よりも強い理由がある。「作品のために」。荒波、承知。しかし座組全員一丸となり、この荒波を乗り越えたい。車椅子の二人と共に。
「作品のために」。きっと僕らの存在価値は、そこにのみ宿る。
Bezzyより引用
その歌を聴いたのが始まりだった。中村佳穂さんの「そのいのち」。
この歌が流れる物語を書きたい。そう思った。暗い澱(おり)に閉じ込められたとしても、前を見上げる人間の讃歌になるような、そんな物語を書きたいと思った。
その脚本に、宮沢りえという大きな存在が共鳴してくれた。「そそられます」。りえちゃんが脚本を読んだあと、最初に僕に言った言葉。
同業者としても脚本を書いた人間としても最大級の褒め言葉だ。
りえちゃんと丹念に、この物語を紡いでいこうと思う。カンテレより引用
佐藤二郎さんがミュージシャンの中村佳穂さんの「そのいのち」という歌を聞いたことがきっかけで生まれたのが同名となる戯曲「そのいのち」。
かなり強い思いが込められていて、半端な気持ちで観劇したら後悔しそうなほどです。
観劇者は覚悟も必要かも知れません。
「そのいのち」の公演日、会場、チケット販売開始日
東京公演:2024年11月9日(土)~17 日(日) 全12公演
会場:世田谷パブリックシアターチケットセンター
チケット販売開始日:2024年9月1日(日)10:00~
兵庫公演:2024年11月22日(金)~24日(日) 全4公演
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
チケット販売開始日:2024年9月8日(日)~
宮城公演:2024年11月28日(木) 全1公演
会場:東京エレクトロンホール宮城
チケット販売日:2024年9月8日(日)10:00~
佐藤二郎が旗揚げした演劇ユニット〈ちからわざ〉について
演劇ユニット〈ちからわざ〉は佐藤二郎さんがかつて所属していた養成所や劇団の知り合いに声をかけて1996年に旗揚げされました。
旗揚げ当時の佐藤二郎さんは27歳でした。
公演は作・出演を務める佐藤二朗さんと、演出の堤泰之さんを中心に数年に1回のペースで公演を続けています。
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